〈世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド（上）〉

著：村上 春樹

出版：新潮社

「一角獣は計算機の夢を見るか？」

【二つの世界を行き来すること】 私は1993年5月生まれだ。90年代初頭、日本で庶民にもインターネットが普及し始めてから早30年。我々は物心ついたときから、現実とは別にもう一つの世界にいつでも接続できるようになった。 二つの世界がシームレスに交じりあう時代において、実材表現としての「やきもの」は、私たちの生活にどのように働きかけることができるのか。

[Moving between the two worlds] I was born in May 1993. It’s been 30 years since the Internet began spreading to the general public in Japan in the early ‘90s. Since I can remember, we’ve had the ability to connect to a world separate from reality at any time. In an era where these two worlds intermingle seamlessly, how can "pottery" as hands-on art interact with our life?